The 28th International Conference
for Women in Business
第28回
国際女性ビジネス会議

CONFERENCE SESSION

カンファレンスセッション

カンファレンスセッションクオータ制が生み出すインパクト

各国で大きなインパクトをもたらしているクオータ制。日本で加速させる方法とは

浜田 敬子氏

浜田 敬子氏Keiko Hamada

ジャーナリスト

「まずは皆さん、いったん伸びましょうか!」と、元気いっぱいの掛け声で呼びかけたのは、ファシリテートを務めるキャスターの長野智子さん。ずっと集中して聞き入っていた参加者から、思わず笑みがこぼれます。大きく伸びをして、プログラムは後編へ。ジャーナリストの浜田敬子さん、野村證券 代表取締役副社長の鳥海智絵さんと話し合うのは、「クオータ制が生み出すインパクト」です。

長野さんは、「世界で130の国が取り入れているクオータ制ですが、日本ではこの議論に距離を置くことがよくあります。今日はこれを正面から話していきます」と、冒頭から力強くリード。まずは鳥海さんに「インパクトはありますか?」と問いかけると、「反対意見もたくさんありますが、私はあると考えます」と、確信を持った答えが返ってきました。そして、「その実現のためには、『男性を当事者にする』ということです」と続け、ダイバーシティの担当を男性の人事部長にしたことで、本人の意識が大きく変化した自社の事例を語ります。

鳥海 智絵氏

鳥海 智絵氏Chie Toriumi

野村證券 代表取締役副社長

さまざまな企業を取材している浜田さんは、女性管理職比率などを掲げながらも変化が遅い日本企業について「なぜ進まないのか。日本は数機目標が『努力目標』にとどまっていて、義務化されていない。これに尽きます。女性管理職や経営層が3割以上になっている国はクオータ制を義務化していて、達成しなければ何らかの罰則があります」と語り、ノルウェーにおける厳しいペナルティについて紹介しました。

さらに、国際競争力ランキングとクオータ制の相関性、投資家の視点など、議論が深まっていきます。鳥海さんは、アンコンシャスバイアスを解消した自社の取り組み、浜田さんは管理職に求める要件を定義し直し言語化するなど各社の取り組みをシェアしてくれました。「一番問題なのは、『なぜ女性を増やした方がいいのか』という議論が抜け落ちていること」と、長野さん。「多様性はリスク管理、利益につながるというデータもきちんとある。それを議論せず、ただ増やせばいいということではない」と、日本における根本的な課題を指摘します。

長野 智子氏

長野 智子氏Tomoko Nagano

キャスター、ジャーナリスト

最後に、登壇者から参加者へのメッセージです。鳥海さんは大学生時代に知ったという「法の理想は、法なき社会の創造である」という言葉を紹介し、「クオータ制が必要なくなる社会を目指す、それを皆さんとのI Challengeということで、理想の社会に向けて一緒に進んでいけたらいいなと思っています」と語ります。浜田さんは、かつて編集長をしていたアエラで女性が多く活躍していたことを挙げ、「数が変わると、劇的にいろいろなことが変わります。皆さん、そういう社会を見てみたくないですか? 成長が厳しい時代になっていますけど、ぜひ皆さんと一緒にそんな社会を実現したいと思います」と呼び掛けました。

「今日は、女性が意思決定層に増えるとインパクトがあるという例を、たくさんお聞きになったと思います。この考えを、いろいろな方に話して広げていってください!」と長野さんが締めくくると、さまざまなヒントを得られた参加者から大きな拍手が送られました。

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