The 28th International Conference
for Women in Business
第28回
国際女性ビジネス会議

ROUNDTABLES

円卓会議

円卓会議3サステナブル社会と企業経営

3つのポイントをセットで共有して、サステナブルな社会を。

中井 徳太郎氏

中井 徳太郎氏Tokutaro Nakai

日本製鉄顧問(前環境事務次官)

最初にファシリテーターの鎌田由美子さんが、「いまや日常の中でもサステナブルやSDGsという言葉を聞かない日はない。また、残念なことに異常気象や災害も世界各地で身近に起きている。ビジネスの面でも気候変動への取り組みを具体的に開示することが求められ、すべての企業で持続可能な取り組みが新しい価値となっている」とテーマの背景を述べ、「サステナブル社会と企業経営」をテーマとする円卓会議がスタートしました。

そして最初に、昨年7月まで環境省の事務次官でいらした中井徳太郎さんが、サステナブル社会を語る3つのポイントを提示。一つ目はカーボンニュートラル。日本は2050年にCO2排出量ゼロを目指すと宣言しており、ハードルは高いがなんとしてもやらなければならない。その上で、サーキュラーエコノミー、循環型経済という視点がある。たとえば廃棄された海洋プラスチックなども「資源」とする考え方。そして3つ目が自然との共生「ネイチャーポジティブ」という考え方。自然や生物多様性の損失に歯止めをかけ、折り合いをつけて自然の力が蘇るなど、環境にとってポジティブにしていくこと。「この3つをセットにして、サステナブルな社会を語っている。ここ数年で共有感が広がっている」

大塚 桃奈氏

大塚 桃奈氏Momona Otsuka

株式会社BIG EYE COMPANY Chief Environmental Officer(CEO)

パナソニックのくらしアプライアンス社で生活家電を取り扱い、環境およびGXの推進を担当されている森本泰史さんは、サーキュラーエコノミーという意味では、パナソニックは家電リサイクルを20年にわたって進めていること。プラスチックは資源として再資源化し、リサイクルプラントにおいてもゼロエミッション化を進めていることを紹介し、「その根幹は、いいものを長く使うこと」。そして、「やはりエシカルな消費の高まりと企業姿勢が大きく変化してきている流れを肌身に感じている」と明言。

3年連続でご登壇の大塚桃奈さんは、今日も徳島県上勝町からご登壇。日本で初めてゼロ・ウェイストを宣言した上勝町で「ゼロ・ウェイストセンター」の運営に関わり、街の取り組みの発信と企業連携の担当をされています。町内のゴミを45分別にして回収、資源化率8割以上を達成している取り組み、視察ツアーやホテルの展開などについて紹介し、「人口減少、限界集落という課題がある中でもサステナブルであり続けることをビジョンとしている」といいます。現状の課題や解決のためのプロジェクトなどについても具体的にシェアしてくださいました。

森本 泰史氏

森本 泰史氏Yasushi Morimoto

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社

JRで「エキナカビジネス」を手がけ、「ecute」の社長、カルビー上級執行役員などを経て、5年前にご自身の会社、株式会社ONE・GLOCALを立ち上げ、地域デザインの視点から地域資源を活用した産業育成に自治体や市町村のアドバイザーとして取り組む鎌田さんは、「GDPの1%しかない一次産業を、よそ者の視点から活性化したくてこの仕事を始めた。農産物の魅力もさることながら、作り手の農家のサステナブルな栽培、異業種とのコラボ、観光との連動などが、地元と外部のアライアンスにつながり、未来への価値、新しい人財が入り込むような街づくりにつながっている。産地での生産や加工の現状に入り込むことによって、大企業では見えてこなかった課題が見えてきた」と語ります。「日本の一次産業のポテンシャルは大きく、その業界のプロではない人間の視点というものが新しいイノベーションの糧になることが多々ある」

鎌田 由美子氏

鎌田 由美子氏Yumiko Kamada

株式会社ONE・GLOCAL代表取締役

さらに、サステナブル社会になってビジネス面でどんな変化を感じているか、また、サステナブルな取り組みをどう伝えるか、4人のスピーカーがざっくばらんに語り合ううちに、早くも質疑応答の時間となりました。チャットには次々と参加者から質問や感想が寄せられます。
「国内の気候変動施策は世界からみると遅れているが、グローバルな視点からみるとどうか」「サステナブルな社会のものづくりをメーカーとしてどのように考えているか」「事業持続の面でも、収益を上げていく具体的なビジネスモデルは?」
「ゼロ・ウェイストセンターのような取り組みを他の地域へ広めていこうと思ったときに、どうすれば広げていけるのか」など、鋭い問いかけにスピーカーの方々がそれぞれのご経験や実感から具体的に答えてくださいました。

紹介しきれないほど多数の質問の中、セッションは終了時刻に。「サステナブルを自分事としてどう考えられるかが重要。I Challengeに続く目的語を考える上で、サステナブルの視点がお役に立てたら幸いです」と、鎌田さんの笑顔とともに終了となりました。

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