円卓会議テーマ3
SDGsと企業価値

SDGsへの取り組みは、企業戦略。非財務情報も数値化の時代へ

「続々とたくさんの方が入ってきてくださっています!」と笑顔で画面に登場したのは、ファシリテートを務める伊藤綾さん。今、多くの企業が取り組むSDGs、その本質に迫る円卓会議です。
「本音で語り合いましょう!今日は台本もありません。みなさん、楽しくいきましょう」

代田英展Hidenobu Shirota

大和証券株式会社 執行役員
グローバル・インベストメント・バンキング担当

まずは、代田英展さんが、「今日は朝からのいろいろなセッションで、SDGsに取り組むことは『企業戦略』であるという共通認識を、皆さんに持っていただけていると思いました」と口火を切り、「SDGsに熱心に取り組む会社とそうではない会社、皆さんはどちらに投資しますか? 消費者として、どちらの商品やサービスを選びますか?」と語りかけ、参加者を巻き込んでいきます。

ジェンダー平等の推進と女性のエンパワーメントを専門とする大崎麻子さんも、「SDGsは国連が独自に設定したと思われがちですが、そうではありません。国連が主導して、3年をかけて世界各地で政府、NGO、民間セクターなどによるステークホルダー・ダイアログを持ち、このままでは続かない世界をどのように続く世界に転換できるかを話し合ったもの。行政だけでない、企業、市民、みんなで取り組むことです」と、SDGsのアクションを自分ごとにしようと呼びかけます。

大崎麻子Asako Osaki

(特活)Gender Action Platform理事
UN Women/ILO/EU協調プロジェクト「WE EMPOWER」日本コーディネーター

伊藤さんがここで見せたのは、SDGsの17目標を掲げたシートです。
「うちの子どもの遊び道具みたいなもので、マグネットで冷蔵庫に貼っています(笑)」
次世代は学校でSDGsについて自然に学ぶ機会があり、持続可能な社会へ向けた価値観が育まれていることを実感します。

そして話題は、企業が活動を開示する際の指標や、投資家が求めるビジョンやロードマップなどに展開。参加者もどんどん質問し、議論に参加していきます。
「バッジをつけているだけの人はいかがなものか」「取り組みをトップにコミットさせるには?」「女性たち自身が活躍に消極的な職場で、どのようにマインドセットすればよいか」「それは女性ではなく、職場や家庭などの環境に課題があるのでは?」
男性の参加者も積極的に加わり、本音が熱く飛び交います。

伊藤綾Ito Aya

株式会社リクルートホールディングス サステナビリティ推進グループ パートナー
ソフィアメディ株式会社 VMS 推進本部 本部長
株式会社伊藤ハム米久ホールディングス 社外取締役
株式会社イー・ウーマン 社外取締役

「トップには世界の潮流を知ってもらうことが大切。海外の投資家と直接対話してもらったり、あとはこの会議に参加して一日聞いてもらうことですね」と代田さん。大崎さんも「フィランソロフィでなく、経営ビジョンに統合し、事業活動を通じて取り組むことが大事。それが企業の経済的価値と社会的価値を高めます」と、本質を語ります。伊藤さんは最後に参加者へ「SDGsの前文を見てください。それほど長くありません。感動的で、素晴らしい文章。明日への元気になります!」と呼びかけ、今すぐできるアクションを示してくれました。

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