円卓会議テーマ4
女性取締役の重要性

女性が意思決定に加わると、企業価値が上がり働きやすい環境に。

土曜夜11時のサンフランシスコから、東京からと、3人のスピーカーが登壇する円卓会議3では「女性取締役の重要性」をめぐってディスカッションを繰り広げます。

トレーシー・ゴパールTracy Gopal

Third Arrow Strategies代表

最初に、「ここ10年、世界的に女性取締役はテーマとなっています。まずアメリカの実情を伺いたい」と、ファシリテーターの佐々木かをりがトレーシー・ゴパールさんに問いかけます。

コーポレート・ガバナンス・コンサルティング会社を経営するトレーシー・ゴパールさんは、日本語でアメリカの最新事情を語ります。「カリフォルニア州では、取締役に女性が一人いる上場企業が2018年は70%だったが、法律ができたら96%に増えた。米国全体をみるとS&P500社では女性取締役は25%、今年新しく取締役になった人の45%は女性、23%はマイノリティ。そして、投資会社が取締役会の多様性をかなり重視している」

ご自身が経営者でありつつ上場企業2社の社外取締役をつとめる山田メユミさんは、「日本もここ数年でかなり色々な動きがあり、特に2018年頃からダイバーシティが加速している実感がある」といいます。また、ご自身の経験から、「取締役会では、女性や若手も入れながらよりダイバーシティな議論をしていこうという思いが伝わってくる。ベンチャー出身で女性で40代の青壮年、という私に対する期待があると思って発言している」

山田メユミMeyumi Yamada

株式会社アイスタイル 取締役(共同創業者)
株式会社ISパートナーズ 取締役

現在3社の社外取締役をつとめる佐々木かをりは、「女性が取締役会に入ることによって、新しい視点が加わるだけでなく会議の空気も変わる。私自身も、意思決定に影響を与えたと思うこともあるし、会議の進行なども変わったと感じる」と実感をこめて伝えます。

「2019年末までにS&P500社の企業には少なくとも一人の女性取締役が必要」という先進的なカリフォルニア州。しかし、「重要なのは3人」だとトレーシー・ゴパールさんはいいます。「1人だと自分の意見を出しにくい。2人だとコラボレートでき、3人いると女性とは見られない。通常の取締役となれる」

さらに話題は、女性取締役の発言を他の男性が追認するとはじめて褒められるなど、日米共通のジェンダーバイアスにも及び、あっと言う間に後半の質疑応答へと進みます。

佐々木 かをりKaori Sasaki

株式会社イー・ウーマン代表取締役社長
株式会社ユニカルインターナショナル代表取締役社長
国際女性ビジネス会議 創設者・総合プロデューサー・
実行委員長

大企業で女性が社内からプロパーで取締役になるにはどう頑張ればいいか、自分が唯一の女性課長といった現状をどう変えられるか、どうすればパッションを持ち続けることができるのか、クオータ制をどう思うかなど、現在管理職として活躍する方々からの質問が次々に投げかけられます。そして大学1年生から「どうしたら性別に関係なく責任ある立場になるような社会をつくれるか?」との問いも。

最後は佐々木かをりが、「女性の取締役と言わなくて良い時代が早くくるといい。女性やさまざまな人が入ることで企業の売り上げも企業価値も上がる。働きやすい環境になる。色々な人に対して優しい会社になる。さまざまな成果が出てくる。一緒に取り組み続けましょう!」と締めくくりました。

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