オンラインでも熱く、体験と感動を贈り合った
「マッチングスポンサープログラム」

2011年の東日本大震災を機に佐々木かをりが創設した「マッチングスポンサープログラム」は、参加費を用意することが困難な状況にある方々を、個人の参加者がスポンサーとなって参加費を提供し、体験を共有し、支援する仕組みです。支援の対象は、当初は3.11の被災者の方々、現在は全国の高校生・大学生としています。

支援を受けたい学生は、エッセイを書いて応募します。今回もこんな熱い想いが続々と。
「本会議でロールモデルとなるような憧れの方々からの学びを糧に、“私”という唯一無二のキャリアをつくるのに役立てたい」(19歳・大学生)
「多国籍チームのチームビルディング。様々なバックグラウンドがある中でどのように個性を生かし、最大限のアウトプットを出すかを、登壇者の皆様から学びたい」(21歳・専門学校生)

また、支援をするスポンサー側からも「経営者として18年やってきた経験がほんの少しでも誰かの役にたてばと思います」など、温かいメッセージが寄せられました。
これまでは、会議当日に隣の席に座って語り合ったマッチングスポンサー/スポンシーでしたが、今回は前日までに全てのペアがオンラインで顔を合わせました。

10時間にわたるディスカッションもそろそろクロージングという頃、佐々木かをりがこのプログラムを紹介し、参加されたマッチングスポンサー/スポンシーに今日一日の感想を求めます。

支援を受けた学生からは、
「オンラインでも人と交わっているなと感じられるのは初めてだった。夏から留学の予定がダメになったが、背中を押してもらえた」
「自信をもって前に進んでいきなさいとプッシュしてもらった。自分もそういうオトナになりたい」
「マインドがネガティブになりがちなので変えたいと思って飛び込んだ。こういう状況だからできることがあると、Go Beyondのマインドセットになれた」

また、支援した側の方々からは、
「今回再びスポンサーになれて嬉しい。whatとhowを学べる会議は多いが、国際女性ビジネス会議は“why”をつかめる、貴重な場」
「普段手の届かない方達がこんなに次々と登壇される会議はない。そのエネルギーを若い方に体験してほしくてマッチングスポンサーをやっているのだと今日確認した。マッチングスポンサーはいい体験、おすすめします!」と、推奨コメントもいただきました。

今回、25歳の若さでスポンサーになってくださった方もありました。その言葉を佐々木かをりがご披露。「地方の会社に勤めていて薄給ですが、どうせ知らないうちに使ってしまうのだから、それなら若い人の学びの機会に自主的におカネを使いたいと思い、スポンサーになりました」

これを聞いて、次回はスポンサーにと心動かされた方もあるのではないでしょうか。マッチングスポンサーは、会議当日だけでなく、後日講師の皆さまや企業パートナーの方々と集うポストイベントにもご参加いただけます。そして、終了後も再度オンラインで体験と感謝を分かち合う時間を持ちます。来年の募集開始は春頃の予定です。ぜひご参加ください。

マッチングスポンサー
プログラムについて

 マッチングスポンサープログラムは、3.11に被災された方々への支援プログラムとして発足いたしました。
 当時、イー・ウーマンは義援金を立ち上げ、被災地にお届けしておりましたが、お金やモノだけでなく学びと出会いも届けたいという、弊社代表佐々木の考えから、国際女性ビジネス会議へお招きする制度として作ったプログラムです。
 復興が進むにつれて次第に応募が減り、逆に、支援を受けた方々が「今度は私たちが恩返しする番」と、スポンサーとして会議に戻ってきてくださり、支援の対象は学生へ変わっていきました。
 過去、支援を受けた学生は200人以上となり、スポンサー、スポンシー双方にとって貴重な出会いの経験へと繋がっています。
 昨年までは、会場にて隣の席で一日をお過ごしいただくプログラムでしたが、本年はオンライン開催という事で、顔合わせとしての事前ミーティング・開催後のアフターミーティングを、直接お話しいただける場として設定させていただきました。
今回は19人の学生と、15人のマッチングスポンサーが参加してくださいました。

学生がエッセイを提出し、
事前ミーティングを実施
 参加を希望する学生には、応募の理由と、関心のある社会課題について、エッセイを書いていただきます。
 「自身の将来や人生を見つめ直し、学びを得る為に参加したい」と、コロナ禍での学びを機会に変える学生。
 「世界で戦うかっこいい人になりたい」と、留学を目指す学生。
 「これからの社会をより良くするために、自分がどのように生きていけばいいのか」と、看護を学ぶ学生。
 また、関心のある社会課題については、「日本の労働における幸福度の低さ」や、「保育士や介護士の労働条件について」、「社会課題解決をどのように持続させていくか」など、大変頼もしい視点で社会をとらえていることがわかります。
 その後、スポンサーとの顔合わせとして、それぞれの事前ミーティングをオンラインで行いました。

今年応募のエッセイを一部ご紹介します。

エッセイ

私がこの会議に関心を持ったのは、コロナウイルス拡大に伴い長年の夢であった交換留学が中止となり、これまで描いてきた将来のビジョンを一から考え直そうとしたとき、未来の自分がどのような仕事に就いて持続可能な国際社会の構築に貢献できる人物になれるのかを、様々な場面で活躍される方々から学び、大いに参考にしたいと考えたからだ。特に私は高校生の頃から外交官になることを志しているため、今までの常識が覆されていくこれから多くの人を代表する「リーダー」としてどのような素質、知識、またリテラシーが必要になるのかを明確にしたいと強く思った。そのため、多種多様な場面で「リーダー」として活躍なされている方々が多く登壇するこちらの会議においては、ご講義くださる方々の夢や目標達成の「プロセス」と、未来に求められる「リーダーのあり方」に特に注目することで、今の自分が「すべきこと」そして、今までとはまるで違う未来で活躍するために「変える必要がある常識」を学び得たい。そして学び得たことを糧とし、次世代の異文化コミュニケーションを取り持つ外交官になるための勉学に励むことはもちろんのこと、残された学生生活を有意義に使って自らの人格を形成するための経験を積むこと、さらには外交官になるためのプロセスをより具体的にすることに繋げていきたい。

関心のあるテーマ

最近、気候変動による自然災害が世界で広く勃発している。私はそれらの原因でもある日本社会に定着する大量生産・大量消費型のライフスタイルが、これから持続可能な社会構築をする上で最大の課題である考えるとともに、それを市民レベルから解決しうる「環境教育」について強い関心を抱いている。また、これは国連の掲げる持続可能な開発目標の達成ランキングにおいて、先進国でありながら日本が下位に位置する事実から、問題探求と具体的な対策を講じることが急がれる事案である。私はこの課題の根本的な要因は、国・企業・市民の各レベルで環境問題への意識が低いことが挙げられると考える。特に、「環境」について学習する機会が少ない日本においては、気候変動や地球温暖化というグローバルイシューに対してそれらを自分ごととして捉えられないことが問題であるため、国・企業という大きな枠組みからの取り組みと同時に一個人レベルからの意識の変革が求められる。そのため、北欧をはじめとする環境先進国で積極的に取り組まれている「環境教育」の導入は市民レベルから、そして大学で特に興味を持ち学んでいる「ESG投資」の促進は国・企業レベルからこの問題を解決するための重要な糸口となると考えている。

R.Sさん
(上智大学 外国語学部英語学科 3年生)

エッセイ

ポジティブで「志」の高い方が集まるということを公式ホームページで拝見し、ぜひ参加したいと強く感じました。ポジティブで「志」の高い方が集まる場所に飛び込んで学業や将来働くことへのモチベーションを高めたいと感じました。また、登壇者の方々は働き方やビジネスの新しい仕組みを作ったり、仕組みを使ったりしているという印象を受けました。皆様が何を問題提起し、どのような仕組みを作られているのかにとても興味があります。会議を通じてロールモデルとしての働く女性のお話を伺いたいと感じています。現在、私は家族のあり方や女性のキャリアについての授業を履修し、関心を寄せています。これらの授業を通して家族のあり方、ライフプランにおける妊娠・出産や結婚についての自分なりのイメージはぼんやりとできるようになったのですが、今の自分より離れた年齢になればなるほど、特にキャリアにおいて将来のビジョンの想像が難しくなります。私は結婚や出産をするにしても、仕事を続けていきたいと考えています。また、自分自身が働き続けることで、働く女性のロールモデルとなりたいという夢もあります。そのため、現在女性が少ない分野でご活躍なさっている女性の方や、全ての人が家庭と仕事場両方にコミットできるような仕組みづくりをされている方のお話を直接伺い、大学卒業後の自分のキャリア形成に役立てたいと感じています。

関心のあるテーマ

大学での学びを通じて感じるのは、女性が社会で活躍するには女性以外の性からの理解や協力が重要だということです。そして、これを実現するには、できるだけ多くの人を巻き込んだ議論が必要だと強く感じています。私自身、中学校から大学まで女子校に通っているので女性のライフプランやキャリアプランについて友人と議論したり、考えたりする機会が多くありました。今まではライフプランやジェンダーについて数人の友人と熱く議論を交わしていることに満足していましたが、自分のジェンダーについての考えが女性社会で醸成された凝り固まったものかもしれないということに気づきました。私はこのことが問題だと感じました。女性が抱える問題は女性によって起こされた女性だけの問題では無いので、個々人が意見を深めるだけでは不十分だと思います。社会に属する多くの人が注意を向け、議論がなされないと進展はないと考えます。日本には、多様性やマイノリティーに関しての議論はしやすいが、「女性」という言葉が出てくると急に沈黙してしまう雰囲気があると思います。「女性」という言葉を聞くとフェミニズムを連想して苦手意識や気恥ずかしさを感じたり、そのような話題を口にしたりすることをタブー視する傾向があるからだと感じます。より多くの人がこの話題を口にするには、女性が抱える問題について他の人がどういう意見を持っているのかを知れたり、気軽に自分の意見を発信できたりする仕組みや場作りが重要だと感じます。性別関係なく、多くの学生の間でこのような機会を増やせるように発信活動をしたり、イベント計画をしたりしてみようと思います。

M.M.さん
(津田塾大学 総合政策学部総合政策学科 2年生)

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