円卓会議テーマ2
業績の上がる働き方改革

働き方改革という名のもとに、リーダーが何を一番求めるか。そこが大切

「大好きなお二人を迎えて、いま私が一番うきうきしているかも」と、島田由香さんの満面の笑みが映し出され、円卓会議テーマ2の始まりです。早速、「たくさんのご経験、知見をお持ちで事例も豊富なお二人に、業績の上がる働き方改革のポイントをうかがいたい」と進行役の島田さんが投げかけます。

白河桃子Touko Shirakawa

昭和女子大学 客員教授
相模女子大学大学院 特任教授

まず、「多様性は多様な働き方にやどる!!」とフリップを見せながら白河桃子さんが明言。多くの企業を取材、調査したご経験から、「多様な働き方がないとダイバーシティも絵に描いた餅。同質性のリスクこそ“やばい”。それが業績に直接影響を与えている」といいます。

1000社以上の企業へのコンサル実績をもつ、小室淑恵さんは、「人口ボーナス期とオーナス期で業績のあげ方は真逆!」といい、若者が少なくて高齢者ばかりの今はオーナス期、だから、男女とも徹底的にフル活用して、いかに短い時間で成果をあげるか。そして、多様な人が意思決定し、組織が多様化するしかないことを強調。

一貫して人・組織に関わるキャリアを築いて来られた島田由香さんは、「私はwell-being」がキーワード。短時間でフル活用して仕事をし、社会を支えるには、一人ひとりの心身の健康、ハッピーな感情が大切だと思っています」

小室淑恵Yoshie Komuro

株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長

続いて、「業績と働き方の関係がわかるとても良い例」として小室さんがシェアされたのは、ある不動産営業の会社の実例。コンサルの成果として残業時間が30%削減、生産性を上げた分の金額は全て社員に還元。さらに一歩進んで、仕事の定義が「より広く売ることから、いかに付加価値をつけて売るかに変わった」と語ります。

一方、白河さんは、最初に述べた同質性のリスクについてこう続けます。多様性がないと見落としが起きる、集団の実力を過度に評価し、リスクを楽観視し、都合の悪い情報は遮断するようになる。「これがコーポレートガバナンス的には一番怖いことです」

3人のスピーカーが次々と、今起きている動向、未来への兆し、新たな見方などに言及。働き方が変わっている実例をはじめ、「若い世代での明らかな変化」「心理的安全性」「秘伝のタレを脇机に入れてはいけない」「属人化の解消」「マニュアル休暇」など、興味深いキーワード満載です。

島田由香Yuka Shimada

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
取締役 人事総務本部長

後半は、この円卓会議を選んだ300人以上のオンライン参加者との質疑応答となり、女性2人、男性1人がそれぞれのワークやライフにおける切実な課題について質問。3人のスピーカーから多くの貴重なアドバイスが示されました。

最後は、島田さんの熱い一言。
「リーダーが、働き方改革という名前のもとに何を一番求めるのかが大切だと改めて思いました。そして、ライフを大事にするのも今日のキーワード。素晴らしいインサイトをもらえました」

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