トークショー
ダイバーシティ経営戦略

重要なのは、女性が経営判断に影響を与えられるかどうか。

「いまキャシー・松井さんが、経営戦略のど真ん中にダイバーシティがなければやっていけないというデータをたくさん示されました。今度は小谷さんに、その辺りをガンガン切っていただきたい」と佐々木かをりがバトンをつなぎ、キャスターの小谷真生子さんと、ダイバーシティ経営を進める男性経営者3名が登壇。このトークショーは東京のメインステージにて開催されました。

中田誠司Seiji Nakata

大和証券グループ本社 代表執行役社長 CEO

魚谷雅彦Masahiko Uotani

株式会社資生堂 代表取締役社長 兼 CEO

早速、小谷真生子さんが問いかけます。「女性活躍がフォーカスされがちですが、いまSDGsにおいては“ダイバーシティ&インクルージョン”として、女性の問題のみならず障がい者の雇用や共働き夫婦の役割分担なども含む幅広いテーマとなっていますね。そこで御社のダイバーシティの取り組みを伺います」

Slack Japan株式会社 日本法人代表の佐々木聖治さんは、創業6年で急成長中のSlack社設立の経緯に触れ、「哲学を学んだカナダ人と根っからの技術者のイギリス人の二人の創業者が共同で創業し、マルチナショナルなチームをつくった。この生い立ちがダイバーシティそのもの」

大和証券グループ本社 代表執行役社長 CEOの中田誠司さんは、8000人の総合職の人数分布をフリップで示しながら、2005年から女性活躍に取り組んだ成果が、35歳の管理職以下にはきれいな正のピラミッドとして出ている。一方で「管理職以上に大きなゆがみがあり、ここが多くの日本企業の課題」といいます。

「資生堂は経営の中核にダイバーシティがある」と明言する魚谷雅彦さんは、現在の取締役会は45%が女性とデータを述べたうえで、「女性のパーセンテージを増やすのも目標ではあるが、重要なのは経営の判断に影響を与えられるかどうか」と力説。

続いて話題は、ESG投資、取締役会の構成、株主の関心、社員の育児ケアや育休の問題、「30%クラブ」へと展開。お三方のトークから、それぞれに異なる実情や課題、そしてダイバーシティ経営の最前線が鮮やかに浮かび上がります。

佐々木聖治Seiji Sasaki

Slack Japan株式会社 日本法人代表

小谷真生子Maoko Kotani

キャスター

後半、「Slackでは社員が自分の代名詞をShe,He,Theyなど、社内でどう呼ばれたいかを申告できる」との佐々木さんの言葉をとらえ、小谷さんが鋭く切り込みます。
「Slackはやはりユニークな取り組みをしておられますが、日本の場合、LGBTQへのこのような取り組みがなかなかできていないのでは?」

最後は、「マイノリティの活躍のためには、多様性を受容するカルチャーを社内につくっていくことが大切。女性が躊躇せずに働ける環境を整え、女性の強みを活かして役割を果たし、リーダーシップをとっていただくかが大切」と佐々木さん。
「環境をつくるためには男性もしっかり参画しないとだめですね」と魚谷さん。
小谷さんが「男性のマインドセットを変える教育をよろしくお願いします!」とひときわ声を強めたところで終了となりました。

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