講演
アフリカ女性のこれからの物語

ケニア発のブランドで、世界の子どもたちの物語を変えていく

ワンシーロ・ワウェル・ワイタカ氏Wanjiru Waweru Waithaka

FunKidz共同創設者兼CEO
FunHomes 創設者

ケニアの首都、ナイロビから登場したのは、起業家のワンシーロ・ワウェル・ワイタカさん。室内建築コンサルタント会社に始まり、アフリカ初の子ども向けグローバルブランド、アフリカに着想を得たライフスタイルブランドなど、次々と事業を立ち上げている「シリアルアントレプレナー」です。今回はマッチングスポンサーの支援を受けて参加できるプログラムを、ケニアの女子大学生たちも広め、参加を促してくださいました。

「女性たちに手を差し伸べ、お話をする機会をいただき、ありがとうございます」と、ワンシーロさん。まずは子ども向けブランド「Funkidz」を立ち上げた時の想いを語ります。
「アフリカ大陸は巨大ですから、たくさんの子どもたちがいるわけです。それなのに子ども向けのブランドがないのはおかしいと、10年前に起業しました。ケニアだけでなく、世界中の子どもたちのために彼らの人生を変えていきたい、クオリティも変えたいと思いました」
ビジネスは循環型経済を実現し、子どもたちに愛される商品を提供しているとのこと。鮮やかな色の家具など魅力的な商品が、次々と写真で紹介されます。

さらにワンシーロさんが手がけたのは、「教育」です。子ども向けブランドの次に立ち上げた「FunkidzTech」という事業では、木工技能などを子どもたちに教えています。木材を前に、目を輝かせて作品作りに熱中する子どもたち。そして、かわいらしい電気スタンドを掲げる女の子の写真を示し、「この子は、私の娘です」と嬉しそうに語ってくださいました。

ケニアの女性たちの手によってつくられた雑貨など、世界中に展開しているビジネスがひと通り紹介されると、佐々木かをりが尋ねます。
「今までで、何が一番大変でしたか?」
すると、ワンシーロさんは「資金へのアクセスです」と即答します。
「男性の場合なら、家具をつくりたいと言えば、会社を設立するお金を手にできます。しかし、女性では話をなかなか聞いてもらえない、信じてもらえないのです」

その言葉に、佐々木が「私も35年前の起業では、資金へのアクセスがありませんでした。課題に直面している人も多いだろうと、同じような前向きな志を持った女性たちとつながる場を作り、今に至っています」と答えます。

「そうですね。私たちは『羽の下の風』と呼びますが、お互いのことを考えて支え合える、いろいろな人の助けがあって飛ぶことができていることに気づくんですね。その風が吹くと、とてもうれしいんです。課題はたくさんありますが、これは国境で分かれている場合ではない。同じことを目指しているなら、一緒に取り組むべきだと思います」
力強いワンシーロさんの言葉に、佐々木が「ぜひ、ケニアと日本をつなげていきましょう!」と答え、ケニアと日本の新たな章が開かれたスピーチとなりました。

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