リポート

講演リポート

<安倍首相のメッセージを太田選手が代読>

太田雄貴さん 太田 雄貴さん

「実は、今日この会議には、安倍首相にご登壇いただく予定で、首相ご自身も大変楽しみにしてくださっていました。ところが、公務のために出席できないことが数日前に決まり、代わりにみなさんへのメッセージレターを託してくださったのです。そのメッセージを、フェンシング選手の太田雄貴さんに読んで頂くことになりました。」司会者の紹介で太田選手が登壇すると、会場中に喝采が鳴り響きます。

太田 雄貴

「人生初の代読(笑)、しかも、まさかの首相からのメッセージ。こんな素晴らしい機会を頂いたことを光栄に思いながら、心を込めて読ませて頂きたいと思います。」と、緊張の色も見せず笑顔が輝く太田選手。安倍首相の力強い言葉を、澄んだ快活な声で明瞭に伝えてくれます。

首相のメッセージは、冒頭で、ハフィントン・ポストの創設者アリアナ・ハフィントン女史の言葉「もしリーマン・ブラザースがリーマン・ブラザース&シスターズだったら、今も存続していたのではないか」を引用して、会場の多くの女性の心をつかみます。 続いて、女性の高いガバナンス能力を、イギリスの調査データや参院選における自民党の例をあげて賞賛。そして、全上場企業に対し役員・管理職への女性登用を要請したこと、女性の活躍は安倍政権の成長戦略の中核であること述べ、「意欲あるすべての女性がその生き方に自信と誇りを持ち、能力を十二分に開花させるチャンスをつくるのが私の仕事」と明言。

そして、「意欲あるすべての女性が輝く日本を、みなさんと一緒につくって行きたい」とのアピールで締め括ると、安部首相と太田選手への惜しみない拍手がおくられました。

サプライズに始まり、爽やかに勝利を手にしたかのような、そんな貴重な一幕。これも国際女性ビジネス会議ならでは、です。

第18回国際女性ビジネス会議 安倍首相メッセージ

第18回国際女性ビジネス会議にお集まりの皆さん、こんにちは。安倍晋三です。本日は公務のため、お台場に伺うことができず、誠に残念です。

ただ、この後、私に代わって、稲田大臣と森大臣が参加させていただく予定と聞いております。安倍内閣が誇るパワフルな2人です。政府の取組について、皆さんが聞き飽きるほど、お話をさせていただくと思いますので、ご安心ください。 さて、私もブロガーをつとめる「ハフィントン・ポスト」。その創設者である、アリアナ・ハフィントンさんをご存知の方も多いと思います。

先日、直接お話する機会を得ましたが、ストレートな物言いが魅力のハフィントンさんは、かつて、講演でこのように語ったそうです。
「もし、リーマンブラザーズが、リーマンブラザーズ&シスターズだったら、今も存続していたのではないか。」と。

男たちは、「睡眠時間が少ないことを自慢」し、「超多忙なことが、超生産的だ」と誤解している。そのような男たちは、行く先で待ち構える「氷山」を見過ごしがちだ、と彼女は言うのです。

私も、男たちの一人として、また、首相就任以来、休む暇なく働いてきた者として、この言葉が身に沁みます。この夏は、ハフィントンさんの言葉を胸に刻んで、しっかり休暇をとり、「氷山」をいち早く見つけられる余裕を養いたいと思います。

いずれにせよ、リーダーたる者、常に、大局をおさえていなければならない。「女性」こそが、そうした大きな視野を持つことができる、と考える彼女の信念は、データからも裏付けられます。

イギリス・リーズ大学による1万7千社を対象とした調査では、女性役員が1人以上いる企業では、女性役員のいない企業と比べて、破たんする確率を20%減らすことができるそうです。
女性が持つ、高いガバナンス能力。私も、先日の参院選で、身をもって経験しました。

昨年の政権復帰にあたり、私は、党の舵取りを担う「三役」のうち二人に、女性を充てました。

その結果は、ご存じのとおり。自民党は、何とか「氷山」をうまく回避して、「タイタニック」にならずに済みました。そして、長年、日本政治を悩ませてきた、「ねじれ」に終止符を打つことができたのです。

これもひとえに、野田総務会長と高市政調会長という、二人のスーパーウーマンの為せる業だと、感謝しております。

二人の活躍を目の当たりにしながら、今年4月、私は、経済三団体に、「全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい。まずは、役員に、一人は女性を登用していただきたい。」と要請しました。

もうお分かりいただけると思いますが、これは社会政策ではありません。企業の更なる発展と、日本経済の成長のために不可欠だと信じて、要請いたしました。「女性の活躍」は、私の成長戦略の中核なのです。

今、求められているのは、「男性の視点」とは異なる、「女性ならでは」のリーダーシップ。

今回の会議のテーマは、「リーダーとなる」だと伺っております。この会議が、本日ご参加の皆さんだけでなく、意欲あるすべての女性が、社会でリーダーシップを発揮するきっかけとなることを、心より願っています。

自民党は、「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」という大きな目標を、公約に掲げています。

私は、すべての女性に、その生き方に自信と誇りを持ち、能力を十二分に開花させてほしい、と願います。

その「機会」、「チャンス」をつくるのが、私の仕事です。

「待機児童」という言葉を日本からなくし、子育てと仕事の両立を支援します。子育てに専念した後でも、職場に復帰できる選択肢をつくります。

意欲あるすべての「女性が輝く日本」を、私は、皆さんと一緒に、つくっていきたいと考えています。

最後となりましたが、皆さんの更なるご活躍と本日の会議のご成功を、心より祈念いたしまして、私のメッセージとさせていただきます。

平成25年8月4日
内閣首相大臣安倍晋三

注)出演者の肩書きは開催当時のものです。

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