円卓会議104新しい働き方:副業&起業という選択

  • 田澤 由利
    田澤 由利

    株式会社テレワークマネジメント/
    株式会社ワイズスタッフ 代表取締役/President

  • 温井 和佳奈
    温井 和佳奈

    CEO Blooming Life International Co., Ltd. 
    NPO法人 ドリーム・ガールズ・プロジェクト 代表理事

  • 山田 メユミ
    伊藤 綾

    株式会社リクルートホールディングス サステナビリティ推進部 パートナー
    株式会社学研イノベーション インキュベーション本部 SDGs・ESG支援室 エグゼクティブパートナー

  • 佐々木 かをり
    藤井 薫(F)

    株式会社リクルートキャリア 広報部 リクナビNEXT編集長
    株式会社リクルート リクルート経営コンピタンス研究所 エバンジェリスト


ただ勤めるだけでなく、「自分を問える人」を社会が求める時代へ。

変わる取締役会 写真

成果を出す働き方。それは、ひとつの企業に勤め続けることとは限らない時代になりました。ほかの組織でも仕事をする、あるいは起業をする。そんな「新しい働き方」が、この円卓会議のテーマです。起業、副業の体験、事例を話してくださるのは3人の講師、そしてファシリテーターを務めるのは、リクナビNEXT編集長の藤井 薫さんです。

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「カンボジアで起業するなんて大胆だといわれた」と当時を振り返るのは、温井和佳奈さん。途上国の女性の経済的自立を支援し、カンボジア産の上質な商品を集約したギフトショップ運営、デザイナーや起業家の育成などを手掛けています。
「もともとはWEBデザイン会社を設立していて、経営はうまくいったものの休みもなく働く日々。そこで、カンボジアへ行ったときの感動を糧に、ここから先は、魂の喜ぶこと、自分の存在価値を感じられることだけをやろう!と思って起業しました」

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現在の働き方を「フリーランスビジネスパーソン」と表現したのは、週に一~二回、リクルートに出社しその他の日はテレワークを行い、この4月からは学研の「ソトイコ!」事業などに携わっている伊藤 綾さんです。専業主婦からリクルートのゼクシィ事業部へ、そして育児との両立を目指しながら統括編集長に。さらに複業に至った経緯を「会社に自分のやりたいことはたくさんある。そして他のフィールドでも貢献したいこと、学びたいことがあった。そこでいくつかの会社にジョインして、この4月から新しい働き方にチャレンジしています」と語ります。

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日本におけるテレワークの第一人者、田澤由利さんは、出産と夫の転勤により退職した後、1998年に在宅で働ける会社を目指して起業しています。その後、企業のテレワーク導入を支援する会社も設立。「当時は、テレワークの市場はないから起業しても無理だと言われました。しかし、ニーズはあると確信して講演を重ね、国にも働きかけました。今、やっと政府も動き始めています。明日(7月23日)からは『テレワーク・デイズ』です」と、国の事業にまで発展した今を力強く語りました。

後半は、参加者も含めてディスカッション。「カンボジアでの起業で、国民にはどんな影響が?」「在宅勤務で離れている人とのコミュニケーションのポイントは?」「テレワーク導入に対し、目の前にいなくてどう評価するのかと、ワーカーの抵抗が大きい。評価の管理と信頼の醸成の方法は?」。次から次へと手があがり、「複業してからの収入の変化」などリアルな質問も。また逆に登壇者から「新しい働き方をしてみたいという人は?」と参加者にたずね、半分以上の手が上がるなど、活発なやりとりが展開されました。

軽快なファシリテートで議論を牽引した藤井さんは、「自分の気持ちで生業を立てる。会社の言うことをただ聞く人ではなくて、自らの存在目的を自らに問える自律した人を会社も社会も求めているのでは」と時代の変化を語りつつも、「しかし、なかなか動かないのが日本の文化。企業はどんなふうに変われば、そうしたセルフスターターをエンゲージできるか」と課題も投げかけます。個人も企業も、それぞれがより柔軟に、新たな選択をする時代へ向けて、前進への想いを新たにした熱い会議となりました。

イー・ウーマンピアからのレポート

起業、フリーランスについて、これまでの道のりをお話くださる。「理想は会社にいながら、スキルアップ。でも家族ができ、会社に行きたくても行けなかった。」「もしかして会社で上司と気が合っていれば起業していなかった。」「ずっと60歳までこの会社にいるのかな?自分が社長になるのかな?その間はないのかな?」
働き方を模索している人はこんなにも多いのだと気づく。今の働き方に不自由を感じ、新しいあり方を求めている。その証拠にこの円卓会議参加者のなんと多いことか!
世の中に働き方を模索している人は居れども、登壇者の皆さんの素晴らしいところは、利益追求のみでなく、事業を通じて社会問題の解決を目指されていることだと思う。田澤由利さんは、テレワークを普及させることで、事情で会社に行けない人が会社に行かなくても働き続けることができる社会の実現に尽力されている。温井和佳奈さんは、途上国の女性の経済的自立を支援されている。
社会には様々な問題や不自由がひしめいている。あったらよいなと思う仕組みを、共鳴できる人々と共に創ることができると良いと思う。それは自分の魂を喜ばせることでもあるに違いない。

Katty