全体リポート

昂揚と感動、ポジティブなエネルギーに満ち溢れた「第24回国際女性ビジネス会議」が、
今年も東京・台場で開催されました。

世界25カ国以上、高校生から経営者まで800名を超える志高い参加者と第一線で活躍する総勢58名の登壇者が次々におくる熱いメッセージ。1996年から毎年夏に開催され、今年24回目となる国内最大級のダイバーシティカンファレンス「国際女性ビジネス会議」。

今回のテーマは「SCALE UP」。

ビジネス規模の拡大、仲間の人数の拡大、自らの思考や生き方、働き方、そこから日本、世界へと視野を広げ、一人一人の心の炎を燃やし、規模の拡大、そして幸福の拡大を目指し、実行に移すことを目指します。

全国からの参加者が朝7:30から行列して並び、ドアオープンの9:00には客席が一斉にうまり、さらにネトワーキングが始まるという、熱気溢れるこの会議。メイン会場での講演では、10:00にスタート。実行委員長である佐々木かをりが今年の会議テーマ「SCALE UP」を設定した背景や意味などを力強く伝え会議が始まりました。

全体会議写真

続いて、安倍首相からのビデオメッセージというサプライズ。日本で一番歴史ある、また最大規模の国際女性ビジネス会議への敬意と首相の掲げる目標を発表されました。そして基調講演は、まずスロヴェニア共和国外務副大臣のシモナ・レスコヴァルさん。自身が、この会議の参加者の1人だった4年前から、今回は外務副大臣として基調講演で戻って来たという経験を交え「私たちのメッセージをより強い影響力へスケールアップしよう」と呼びかけます。

次に、野村アセットマネジメントCEO兼代表取締役社長に4月に就任した中川順子さんが、ご自身のターニングポイントや一つ上の立場でものを考える大切さを語り、町工場の女性社長としてテレビドラマにもなった諏訪貴子さんの波乱万丈の人生に会場中がくぎ付けになったところで、1964年の東京開催から、なんと合計17のメダルを取ったマルチアスリートである、パラリンピアン英国代表のキャズ・ウォルトンさんのビデオメッセージ。

全体会議写真

その後のトークショーでは、小島慶子さんのインタビューで衆議院予算委員長の野田聖子さんが男性議員の意識改革が必要と鋭く指摘。続いて、ネスレ日本の高岡浩三社長、帝人の鈴木 純社長、そしてカルビーの松本晃元会長など男性経営者が、「ダイバーシティは儲かる。でも、目的ではなく手段」と語ります。そして大和証券グループ本社取締役兼執行役副社長に就任した田代桂子さん、野村信託銀行前社長の鳥海智絵さん、メリルリンチ日本前社長の小林いずみさん、EY新日本理事長となった片倉正美さんをはじめとする金融業界の女性トップが日本の経済をどう変えていくかを本音トーク。

ここで、豪華な着席コースランチを楽しみます。同じテーブルの人たちと出会い、感想を分かち合い、つながりを深めていきます。デザートに差し掛かった食事の後半から始まる午後のトークショーのテーマは、これまで23年間、このカンフェレンスで一度も正面から扱ったことのない「ジェンダー論」。

そのジェンダー平等を議論したのは、東京大学の入学式での祝辞で一躍脚光を浴び、日本のフェミニズムを牽引する社会学者・上野千鶴子さんや、愛知トリエンナーレ芸術監督の津田大介さん等。「お茶くみしなくていいのは誰のおかげ?」と、ジェンダー平等のためにこれまで戦ってきた女性たちに思いを馳せ、バトンを次世代へ引き継いでいってほしいいう上野千鶴子さんの含蓄ある一言には、そっと涙を浮かべる参加者も。再び、小島慶子さんの進行で、宇宙ゴミを回収するビジネスや流れ星を作るビジネスを展開する伊藤美樹さんと岡島玲奈さんにインタビュー。最後は小池百合子都知事が、「やる気がある、勇気がある、夢がある令和の時代にして行きましょう。それを実現するのは女性!」とパワフルに締めくくりました。

全体会議の後は、テーマごとに分かれてディスカッションを行う「円卓会議」です。通訳なしの英語での円卓会議4テーマも含めて、W20、ティール組織、ESG投資、SDG’sとメディア、地方創生、20代・30代からのリーダーシップ、ダイバーシティ経営など10のテーマに分かれて熱く議論。各会場では、前半30分はテーマのプロフェッショナルである登壇者のトーク、後半40分は矢継ぎ早に手が挙がる参加者からの質問に答えながら、参加者全員で活発なディスカッションが行われました。午後の円卓会議はどれも毎年、参加型で大満足の時間です。

そして最後は再びメイン会場に集まって、美味しい立食ビュッフェとワイン等での華やかなネットワーキングパーティ。ゴールドパートナーの小林製薬社長からのメッセージに続き、高校・大学生の参加を支援するマッチングスポンサーと支援された学生たち16組名がステージへ。学生たちの参加費を提供するスポンサーは個人の方々。自分のボーナスや貯金を使ってスポンサーとなり学生たちを支援する志の高さに会場は魅了されます。そしてエッセイを書いて応募しスポンサーに応援されて参加した高校生や大学生たちの発表する1日の学びのコメントに、会場は感動し、励まされ、涙します。

パーティ途中ではミスユニバースからオペラ歌手になった小川里美さんのスケールアップ人生のトークとライブ。夜まで1日順参加し続ける数十人に及ぶ講師陣もステージに上がって興奮と感動のメッセージを。そしてワインや食事を楽しみながら、数百人との名刺交換や楽しい会話でのネットワーキング・・・。志高い人たちが1日の学びと刺激を受けて、全員が熱い前向きなエネルギーを発しながら出会うこの時間は、一般のネットワーキングパーティとは全く違います。

「初めて参加したが、今日一日で視野がスケールアップした!」
「自分の考えに自信がついた」
「主催者の想いと参加する人たちの思いが一つなり、熱気を帯びて、女性のパワーへの期待が高まった」
など、互いに今日一日の感想を興奮気味に語り合い、参加者の笑顔がひときわ輝く10時間となりました。

次回第25回は、2020年9月27日(日)開催。初めて参加された津田大介さんも「こんな温かい、いい会議は初めて。居心地よくて、一度仕事で抜けたけれど、会場に戻って来ました。来年も参加します。もう予定に入れました!」。会場から大拍手が湧き起こりました。

視界が、想いが、行動がスケールアップした熱い一日の模様は、講演・円卓会議の各セッションにてページにて、より詳しくお伝えします。