円卓会議205やっぱり管理職を目指そう!

  • 新谷 英子
    新谷 英子

    カルビー株式会社 人事総務本部
    ヘルスケア委員会 委員長 兼 CHO(Chief Healthcare Officer)

  • 小部 慶美
    小部 慶美

    大和ハウス工業株式会社
    集合住宅工事課 主任技術者(課長)

  • 伊藤 綾(F)
    伊藤 綾(F)

    株式会社リクルートホールディングス サステナビリティ推進部 パートナー
    株式会社学研イノベーション インキュベーション本部 SDGs・ESG支援室 エグゼクティブパートナー


誰かになる必要はない。
自分らしいキャリアを描いてYESと言おう!

管理職だからできること 写真
働き方改革での新しい人事評価 写真

女性管理職は昨年も議論した定番テーマの一つ。今回の「やっぱり管理職を目指そう!」、この「やっぱりという4文字に色々と重いものがあり、想いが込められている」というファシリテーターの伊藤 綾さん。開口一番、「今日は本音で行きましょう!」と元気よく呼びかけてディスカッションが始まりました。

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フロアには、元カルビー会長(RIZAPグループ株式会社 代表取締役COO)松本 晃さんのお姿も。それを見た新谷英子さんは「松本が居るのでやりにくいんですが」と笑いをとりつつ、産休をとっている間に大きく経営体制が改革され、ダイバーシティを進める動きがあったので委員に手を挙げたこと。その頃はまだ管理職になる自信はなかったが、チャンスを与えてくれた上司が「支援するからやってみて」と言ってくれたのが有り難くて、「駄目かもしれないけど、とりあえずやってみよう」という気持ちで管理職になったと振り返ります。

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「自分は、午前中に登壇された阿部玲子さんの日本版をやっている」とおっしゃる小部慶美さんは、男性社会の現場で女性管理職第一号。現場監督として支社に赴いた時、「作業服ピンクにしようか?」「親御さんは何も言わないの?」と真剣に言われ、反骨精神で「自由にやってやれ」と思えたといいます。そして、「工事担当者は女性が少ないから、後輩達のためにもなんとかこの道を切り開いて行きたいと、意地でも粘り強くやって来た」と。

管理職って何をやっているんですかと、よく聞かれるという伊藤さん。自分は部下を管理するのではなく、部下と一緒にマーケットに向き合うのが仕事だといいます。そして、「管理職になってどんな良いことがあったか?」と問いかけます。
「組織と人をよりよくしたいと思った時に、管理職になることで出来る事も接する人も増える」と新谷さん。小部さんも、「自分のやりたい事の実現性は確実にあがる」と強調。

続いて、「男性管理職のパネルならこんな質問しないのに、これを聞くのは悔しい。でもぶっちゃけ、どうしているか聞きたいですよね」ということで、「家事と育児の両立はどうしているか」。さらに、「男性の同期に遅れをとったとき何を考え、どう行動していたか」など、本音トークが次々と。
2/3の方が管理職、「次のポジションに進みたい」が多数、「いま揺れている」方が10人程度という会場の女性男性達が、食い入るように耳を傾けています。

小部さんはご自身の体験から、「女性は仕事と子育てで精一杯の時もあるが、それでも自己啓発、スキルを上げることにどん欲でなければならない」と激励。「子育てには期限があるから、育児だけをしていると子どもが育ったときに自分が取り残されることもある。だから“育自”が大切」という新谷さん。「子どもはどんなに手をかけても理想通りに育つとは限らないけれど、自分自身は思うように育てられる。自分らしく生きていけるように学び続けている」との言葉にも、多くの方が鼓舞されたのではないでしょうか。

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続くインタラクティブディスカッションでは、会場からもやはり本音の質問や意見が続々。現在管理職の女性からは、「もう一歩昇進することと家庭との両立で迷っている。時短を取りたいが、時短では昇進の対象にならない」、「管理職になるのを躊躇う女性にモチベーションを上げてもらうには?」といった切実な声が。また、男性管理職の方や、工学部の学生、社会人2年目という女性など、10人近い方からの様々な質問に、スピーカーの方々自身の体験に基づく貴重なアドバイスが頂けました。

最後に一言。「仕事の中で自分らしくいられることを目指してほしい。ロールモデルがいなければ自分がロールモデルになればいい。誰かになる必要はない。自分らしいキャリアを描いていってください」と新谷さん。小部さんは、「二人の娘が社会に出るまでに女性の可能性が活かされる社会にしておきたい。社会はどんどん変わっていっている。一緒に頑張りましょう!」。
そんな社会に新しい動きや存在を生み出していくことを意識したメッセージで会議を締め括りました。