マッチングスポンサー、学生たち

オンラインで深くつながり、熱い感動を共有したマッチングスポンサーと学生たち

国際女性ビジネス会議の魅力の一つは、参加者が、学生参加者を支援する「マッチングスポンサープログラム」の存在です。参加費を用意することが困難な状況にある方々を、個人の参加者がスポンサーとなって参加費を提供し、体験を共有する仕組みです。2011年に震災の被災者を応援するために作られ、今は全国・海外からの高校生と大学生の参加を支援しています。今回は17人の学生、マッチングスポンサーがこのプログラムに参加してくださいました。会議当日より前に、まずオンラインで支援する参加者と、支援される学生がペアとして組まれて、互いに出会うことができるオンラインミーティングを開催。国際女性ビジネス会議に向けて、それぞれの想いや期待を語り合いました。

そして、会議当日。今年は第1セッションの最後に、過去に支援を受けて参加した学生たちからの、感謝をこめたビデオメッセージを紹介しました。

そして、すべての講演が終わった第5セッションの最後に、今年マッチングスポンサープログラムで支援した参加者、支援を受けて参加した学生たちに「今の感想を聞かせていただけますか?」と呼びかけました。
画面には、ケニアから、大学生が笑顔で答えます。
「ケニアのナイロビから参加しました。たくさんの学びがありましたし、すばらしいビジョンをご紹介いただきました。私たちのような若い女性にとって、将来がどうなっていくのかというイメージを持つことができました、ありがとうございます」

続いて、日本から参加した大学生が想いを語ります。
「私は女性ということで不安な気持ちが大きかったのですが、ご結婚されてからも昇進されたり、さまざまな挑戦をされている方々を見て、とても勇気が出ました。この学びを、私で止めるのではなく、来年はぜひ後輩や友達に紹介して、前向きな女性の輪を広げていきたいなと思いました。本日は、本当にありがとうございました」

学生たちが感謝の言葉を述べた後、スポンサーの一人である男性からも温かなメッセージをいただきました。
「昨年、この会議に参加して、多様性とパッションに感動し、今年は絶対にスポンサーになって学生の方にも経験してもらいたいと思いました。会議名に『女性』という冠がついていますが、今日こうして男性である私がスポンサーになり、スポンシーの大学生も男性です。女性、男性は関係なく、みんなで頑張っていくという気持ちを、皆さんで感じていただけたらと思います。私もそれをすごく感じられました。ありがとうございました」

最後は佐々木かをりが呼びかけ、マッチンスポンサーと学生の方全員が笑顔で大きく手を振ります。感謝と喜びをシェアし、この後の参加者同士がつながるネットワーキングへの期待をさらに高めたひとときでした。

学生たちからのエッセイ、ビデオメッセージをご紹介

国際女性ビジネス会議は、どなたでも参加費を払い参加することができます。しかし、他の参加者であるマッチングスポンサーの支援を受けて参加する学生は、スポンサーというメンターとの出会いもあります。また、事前事後のエッセイの執筆で学びを深めることもできます。
マッチングスポンサーの参加を希望する学生からは、応募の理由と、関心のある社会課題について、事前にエッセイが提出されます。今年応募のエッセイを一部ご紹介しましょう。

私は将来、自分らしい形で社会に価値創造をし続けられる存在になりたいと考えています。そのため、多様な視点と高い志を持つ方々が集まる場に参加することで、自分が目指している姿をより鮮明に描き、そのための道筋をより具体的に描くことができるのではないかと考え、本会議への参加を希望します。私は中学生の頃から、プログラミングや留学、NPOでの活動、ボランティア、モノづくり、インターン、様々なイベントへの参加など多様な挑戦を積極的に続け、自分が将来どんな価値創造をしたいのかを模索し続けてきました。それらを通して私は、「何をやるのか」よりも「なぜやるのか」が自分にとっては重要であるということに気が付きました。そのため、本会議のプログラムや過去のレポートを通して、単に知見やスキルを得ることができるだけでなく、本質である「WHY」を学ぶことのできる場であることにとても魅力を感じました。加えて、新型コロナウイルスの影響により社会が一変し、自分の想定していた未来やそこへの道筋に確信が持てなくなっていました。その時本会議の今年の「NEXT CHAPTERS」というテーマを拝見し、新しい章の幕開けに向けて、不確実性の高い時代においてもそれに困惑し足を止めることなく、高い志を持って社会に貢献するために、本会議への参加を通して新しく多様な視点を広げたいと強く思いました。また、コロナ禍において人との交流が絶たれ、孤独感を感じていたことから、同じ思いを持つ方々と交流する機会を通して、改めて前に進むための勇気をもらえたらと感じています。
学生分野/支援する相手への希望: 私はこれまで保育園やこども向け施設、こども食堂などでの活動を通して、特に日本の子育て問題に関心を持つようになりました。育休取得率の増加など子育て業界における進歩は年々あるものの、女性の就業率は上がっているのにも関わらず、依然として日本の子育て環境は「お母さん」に大きな負担が強いられているように感じます。その本質的課題は、未だに「母親が育児の責任を負うべき」「子育ては苦労して然るべき」といった自己責任論的価値観が社会全体に残っているからだと考えています。そのため、父親の育児参加のみならず、社会全体で子育てをするという価値観にシフトしていくこと、すなわち育児の関係人口を増やしていくことが今後求められてくるのではないでしょうか。併せて、食品ロス問題にも強く関心を寄せています。私は高校生の頃から、数多くの有識者の方にヒアリングを行い、国際カンファレンスに参加するなどして本問題について調べてきました。さらにその上で2万字のレポートを作成し、こども向けの食育企画を主催するなどしてきました。課題要因は供給ライン上の段階ごとに様々ありますが、私が感じる最も本質的な課題は「食」に対する消費者意識の低さにあると考えています。現在は消費者に対する啓発活動に留まってしまっている傾向にあることから、価値観が形成される段階のこどもたちへの食育をより推進することが必要であると感じています。上記より本会議では、これまで社会変容に携わられてきた数多くの方々から、これからの時代に求められる世論形成のあり方やそのコミュニケーションについても学ばせていただけたらと考えています。

A.O.さん
(慶應義塾大学 総合政策学部3年生)

私は現在、武蔵大学とロンドン大学(London school of economics)、2大学の学位を取得するべく日々勉強している。コロナウィルス感染爆発によりLSE大学への留学という大きな目標は失われてしまったが、それ以上に公認会計士の資格を取りたいという新たな目標を持つことができた。
しかしながら、公認会計士資格を取得したのち、結婚出産してもキャリアを継続することができるのか、何年間働くことができるのかなど多くの不安があるのも事実である。
私はこの会議を通じで、どのように女性がキャリアを築くことができるのか、様々なライフイベントを乗り越えながら社会に貢献できるような働き方ができるのか、学ぶ機会にしたいと考えている。
また、一年半後には就職活動を控えているため、自分が理想としているキャリア形成とは何か、登壇する方々が行なっている活動について知識を深めることで、女子大学生として今しかできないこと、また今できるキャリア形成を考えていきたいと思っている。
学生分野/支援する相手への希望: 私は社会起業家に安定して継続的な支援を提供するべきだと考えている。
現在、教育や医療など様々な機関への資金提供を国家が行なっている。しかし、利益の創造が難しい国家が資金提供をするのではなく、利益を生む企業が継続的な支援を行うべきだと考えている。
私は、交換留学でアメリカの人々・企業の社会貢献に対する意識の高さに驚いた。逆に、日本の社会貢献に対する意識の低さに疑問を持った。そこで考えたのが、日本の消費者のソーシャルビジネスに対する意識を高めることと意識を高めさせるための企業努力である。もし、ソーシャルビジネスに対する国民の意識が高まるならば、購買行動に影響を与え、ソーシャルビジネスを行わない企業が淘汰されると考える。さらに、企業評価が資金援助の割合で決まるようになれば、より多くの資金援助を企業が行う可能性が高まり、支援機関への継続的な資金援助の多くを企業が担うこととなる。
このような社会の仕組みを築くためには、政府が社会起業家へ資金やスキル、知識援助などの支援をするべきである。最初の段階では大きな投資となるが、長期的に見ると、日本人の社会問題に対する姿勢の向上や政府の予算がより重要性の高いものに効率的に使用できるなどの大きなリターンがあると考えている。

M.O.さん
(武蔵大学 経済学部 経営学科3年生)
各レポートを読む(10月から順次公開)