講演
オリパラからの気づきを社会の変革へ

アスリートから受け取った覚悟を胸に、課題解決の先進国へ

橋本聖子氏Seiko Hashimoto

公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
会長

「こんな豪華なシーンになるとは」と、佐々木かをりが思わず感嘆の声を上げた東京のスタジオでは、講演を終えた小谷実可子さんと、次のスピーカーである橋本聖子さんの2ショット。
「最初に言ってくださった言葉が、『家庭は大丈夫? お子さん、もう大きいの?』。そういうことをすぐにケアしてくださる橋本さんに、会長になっていただいて本当によかった」と、小谷さんは、東京オリンピック・パラリンピックのスポーツディレクターに就任して橋本さんと会ったときのことを振り返ります。

名残惜しそうな小谷さんを見送り、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長である橋本さんとのトークショーが始まりました。組織委員会理事を務めた佐々木が、「先週パラリンピックが終わったばかりですが、今、どのような思いでしょうか」と問いかけます。
「一人になったときに、涙が止まりませんでした。この期間には、政治家としてやらなければいけない政策課題が、すべて詰まっていたと思いました。多様性と調和の社会をいかに創り上げていくのかという覚悟を、パラリンピックのアスリートからもらいました」。
「政治家として取り組む課題が詰まっていた。NEXT CHAPTERSが見えたということですね」と、佐々木もうなずきます。

例えば、以前はオリンピックに比べて少なかったパラリンピックの放映時間を長くしたことで、「多くの競技を見られた」という声をいただけたこと。そして、橋本さんが感じたNEXT CHAPTERSは、パラリンピアンの、困難を乗り越えたからこその「覚悟」を持った明るさ、強さに「やるべきことをしっかりと見出すことができた」と言います。「今、障がいのある子どもたちは学校で体育の授業を見学させられている。運動の機会があれば、体も強くなり、自立につながります」
「障がいの有無に関わらず、どのように個性を生かして、どのようにして社会を変えていくか。これからは生活のすべて、町づくり、国づくり、心のバリアフリーも、ユニバーサルデザインにしていかなければと思わせてくれました」

話題はさらに、パラリンピックの閉会式で提示されたキーワード「WeThe15」、つまり世界で15%、10億人以上に及ぶ障がいがある方々をインクルードしていくことへと展開します。

「テレワークが広がり、障がいのある人も自宅で仕事ができる。そういった気づきがチャンスになり、経済がひとつになって動いていくと思います。自然災害やコロナなど、世界で共通する課題を解決するためにこの東京大会があったと思うので、『課題解決の先進国』という日本の立ち位置を確立していかなければ、開催させていただいた価値にならない。これから先が大事だという気持ちです」

静かに、そして、深く温かく響く橋本さんの言葉に、佐々木も「オリンピック、パラリンピックで考えたことや気づきを、私もいろいろな業界で、シーンで進化させていきたいと思います」と力強く答え、スポーツと社会のNEXT CHAPTERSを確かに開いたトークが終了しました。

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