トークショー
ダイバーシティ経営。経営者の役割

ダイバーシティ経営のために、トップがコミットし、偏見を壊す

舞台は、東京の特設スタジオへ。NECのCEOである森田隆之さん、マネックスグループCEOである松本大さんという、日本のトップ企業の経営者によるトークショーです。進行は、佐々木かをりが務めます。

森田隆之氏Takayuki Morita

NEC 代表取締役 執行役員社長 兼 CEO

「これって、NECの顔認証ですか?」
話題は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事である佐々木が大会の会場で撮影した、1枚の写真から始まりました。「はい」と、笑顔で森田さんが答えます。お台場で開催していた国際女性ビジネス会議でも導入した、NECの顔認証システム。森田さんは、「実はこれも、ダイバーシティによる産物なんです」と、その経緯を説明します。

「最初、社内ではその技術の使い道が見つからず、ビジネスにならないと言われていました。興味を持たれたのは、シンガポール、香港の人たちです。異なるバックグラウンドを持つ人たちが集まると、いろいろなアイディアが生まれますよね。それらの意見や情報によりブラッシュアップした使用方法と、国際的なテストで連続世界一の称号を得るまでとなった技術の進歩によって、今回の大会でもご活用いただきました。」
「すごい。それが多様な視点で経営する、ダイバーシティ経営の成果ということですね」と、佐々木もうなずきます。

松本大氏Oki Matsumoto

マネックスグループ株式会社
代表執行役社長CEO

マネックス証券の創業者でもある松本さんは、後継に清明祐子さんを指名されたことでも話題になりました。「女性を選んだことに、ダイバーシティ経営の意図はあったんですか?」と佐々木が問いかけると、「ダイバーシティというよりも、メリトクラシーです」という答えが返ってきました。
「優秀な人でチームをつくれば、当たり前のようにダイバーシティになるということをやっているだけだと、私は思っています」

そこで佐々木が、「女性はその機会、経験を与えられずにきているので、『優秀』にさせてもらえない。メリトクラシーだけを言い続けると、男性が多くなることはありませんか?」と疑問をぶつけると、松本さんは「そうならないためには、アンコンシャスバイアスをなくして、機会を用意しなければならない」と、今後の変革を力強く語ります。
選ばれた女性が本当に力を発揮するためには、組織風土を変え、一人ひとりが持つ無意識の偏見が意識できるようになり、行動を変えていくというプロセスが必要だと、佐々木が語ります。さらに話題は、組織のダイバーシティ進度を数値化する日本初の「ダイバーシティインデックス」へと展開。ダイバーシティ経営における経営者の役割について活発に意見が交わされていきました。

F:佐々木かをり氏Kaori Sasaki

株式会社イー・ウーマン代表取締役社長、株式会社ユニカルインターナショナル代表取締役社長、 国際女性ビジネス会議 創設者・総合プロデューサー・実行委員長

最後に、経営者の役割について、森田さんは「トップがコミットすること。今までのパーセプションを上から壊さなければならない」、松本さんは、「私たちはメリトクラシーで人を選ぶということを、高らかに伝えること。それに反するいろいろな仕組みを変えていかなければ」と語ります。佐々木が「ダイバーシティ経営が会社を成長させる。だから当然のこととして、社長として実践し続ける。そういったお二人の姿勢がよくわかりました。お二人のような方に、日本の経済界を変えていただきたいと思います」と締めくくり、トップが企業を、そして社会を変えていくという力強さに満ちたトークショーが幕を下ろしました。

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